
カニのゆで方は、塩加減は海水程度の3%、甲羅を下にして沸騰後15〜20分という基本を押さえれば、家庭の鍋でもしっかりおいしく仕上がります。ただし、生のズワイガニ、活ガニ、冷凍のボイル済みでは、やるべきことがまったく違います。茹でなくてよいカニを茹でてしまうと、旨味が湯に流れ出てしまいます。
この記事では、福井で創業60年以上のカニ問屋・越前かに問屋ますよねが、家庭でのカニの茹で方をまとめました。
- 塩加減とゆで時間の目安(種類別の早見表つき)
- 生ずわいガニと活ガニで違う、茹でる前の下準備
- ズワイガニの蒸し方と、茹で上がったあとの冷まし方
目次
カニのゆで方 早見表
カニの大きさや鍋の大きさ、火力によって前後するため、時間はすべて沸騰してからの目安としてご覧ください。
| 種類 | 茹でる前の下準備 | 塩加減 | ゆで時間の目安 |
|---|---|---|---|
| 生ずわいガニ 姿(600〜800g) | 流水で半解凍 | 水1Lに塩30g | 15〜18分 |
| 生ずわいガニ 姿(1kg前後) | 流水で半解凍 | 水1Lに塩30g | 18〜20分 |
| 生のカニ足・肩 | 流水で半解凍 | 水1Lに塩30g | 7〜10分 |
| 活ガニ(活ズワイ・越前がに) | 真水に20〜30分つけて締める | 水1Lに塩30g | 18〜20分 |
| 冷凍のボイル済み | 冷蔵庫でゆっくり解凍 | — | 茹でない |
| 生のポーション(棒肉) | 流水で半解凍 | — | 鍋やしゃぶで火を通す |
茹でる前の下準備は種類で変わる
冷凍の生ずわいガニは流水で半解凍にする
冷凍の生カニは、袋から出してボウルに入れ、流水を細く当てて5〜10分、半解凍で止めるのが当店のおすすめです。表面がしんなりして、中心に少し硬さが残っている状態が目安です。
生カニを冷蔵庫でゆっくり解凍すると、解け方が不均一になり、ドリップ(うま味の汁)が出やすくなります。生カニは短時間で半解凍まで持っていくほうが、身の食感が残ります。
活ガニは真水につけて締めてから
活きたカニをそのまま熱湯に入れると、暴れて脚が外れ、せっかくのカニみそが湯に流れ出てしまいます。茹でる前に真水(氷水でも可)に20〜30分つけて動きを止めてから鍋へ入れてください。
甲羅の表面に砂やぬめりが付いていれば、たわしか使い古しの歯ブラシで軽くこすって落とします。脚の付け根の隙間は汚れが残りやすい場所です。
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ボイル済みの冷凍カニは解凍だけでよい
市販の冷凍カニの多くは、水揚げ後に浜で茹でてから凍らせた「ボイル済み」です。こちらは火が通っているため、茹でる必要はありません。ボイル済みのカニは、生カニとは逆に冷蔵庫でゆっくり時間をかけて解凍すると、身の締まりと塩味が落ち着きます。
温めて食べたいときは、茹でるのではなく蒸し器で3〜5分ほど温めるか、殻つきのまま軽く焼くのがおすすめです。
カニの茹で方の手順
ズワイガニの茹で方を基本として説明します。毛ガニや紅ズワイガニでも、考え方は同じです。
- 鍋とお湯を用意する:カニ全体がしっかり湯に浸かる大きさの鍋を選びます。湯が少ないと、カニを入れたときに温度が下がりすぎて、茹で時間が読めなくなります
- 塩を入れる:水1Lに対して塩30g(海水程度の3%)が目安です。カニそのものに塩味があるため、これ以上濃くする必要はありません
- 甲羅を下にして入れる:みそが流れ出ないよう、甲羅(背中)を下に向けて静かに沈めます。姿のカニはこの向きが大切です
- 沸騰を保って茹でる:強い沸騰が続くと吹きこぼれるため、弱めの沸騰を保ちます。浮いてくるときは落とし蓋か皿をのせてください
- アクを取る:茹で始めに出る白い泡は、お玉でそっとすくいます
- ザルにあげて冷ます:茹で上がったら、甲羅を下にしたままザルにあげ、常温で自然に冷ます。冷水に取ると水を吸って水っぽくなります
ゆで時間を延ばすと身は縮む
「しっかり火を通したい」と長めに茹でると、身が締まりすぎてパサつき、殻から外れにくくなります。早見表の時間を目安に、時間が来たら迷わず上げるほうがおいしく仕上がります。
鍋に入りきらない大きさのときは
姿のタラバガニや大きめのズワイガニは、家庭の鍋に収まらないことがあります。無理に押し込むと脚が折れ、湯の対流も止まってしまうため、甲羅と脚を関節で切り分けてから茹でるほうがきれいに仕上がります。切り分けた場合は、脚のゆで時間は7〜10分が目安です。
甲羅(みそが入っている部分)は、切り口が上を向くように置くと、みそが流れ出にくくなります。
ゆで汁は捨てずに使える
カニを茹でた湯は、塩味のきいたカニのだしです。アクを取ってから、雑炊や味噌汁、炊き込みご飯の水分に使うと、最後までカニを味わえます。
ただし、ゆで汁には殻のえぐみも出ています。茶色く濁った部分は使わず、上の澄んだところだけを取ると、すっきりしたカニだしになります。
茹でたあとの保存
茹でたカニは、粗熱が取れたらラップで包んで冷蔵庫へ入れます。目安はその日から翌日までです。身をほぐして小分けにして冷凍しておくと、チャーハンや雑炊、カニ玉に使えます。殻も捨てずに冷凍しておけば、味噌汁やスープのだしになります。
ズワイガニの蒸し方
茹でると、うま味の一部が湯に出ていきます。うま味を逃がしたくないときは、茹でるより蒸すほうが向いています。身が水を吸わないため、味が濃く仕上がります。
蒸し時間の目安は、姿のズワイガニで20〜25分、カニ足や肩で10〜15分です。蒸し器に湯を張って沸かし、蒸気が上がってから甲羅を下にして並べます。蒸し器がない場合は、深めの鍋に水を2〜3cm張り、ザルや丸網を入れて代用できます。
鍋に直接入れる茹で方と違って塩を使わないため、物足りなければ食べるときに塩を少し振るか、ポン酢を添えてください。
鍋やしゃぶに使うなら茹でなくてよい
カットされた生ずわいガニやポーション(棒肉)は、茹でてから使うものではありません。鍋やしゃぶしゃぶで、食べる直前に火を通すほうが、甘みと食感が残ります。
半解凍にしてから、沸いているだしに10〜20秒ほどくぐらせ、身が白く変わったら引き上げます。火を通しすぎると縮むため、ここも短めが正解です。
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丸ごと茹でて食べたい日は姿のカニ、鍋やしゃぶを楽しみたい日はカット済みやポーション、と選び分けるのがおすすめです。
よくある質問
Q. 塩を入れずに茹でてもいいですか?
茹でられますが、味が抜けて物足りなくなります。カニの身は塩水の中で茹でることで塩味が入り、甘みが引き立ちます。水1Lに塩30gを目安にしてください。
Q. 茹でたあと、冷水で締めたほうがおいしいですか?
カニは冷水に取らないでください。殻の隙間から水を吸って水っぽくなります。ザルにあげて甲羅を下にし、常温で自然に冷ますのがおすすめです。
Q. 冷凍の生カニ足は、凍ったまま茹でてもいいですか?
凍ったままでも茹でられますが、中心まで火が通るのに時間がかかり、外側だけ締まってしまいます。流水で5〜10分の半解凍にしてから茹でると、仕上がりが揃います。
Q. 茹でたカニは何日もちますか?
茹でたあとは日持ちしません。冷蔵庫で保存し、その日から翌日までに食べきるのが目安です。食べきれない分は身をほぐして小分けにし、冷凍してチャーハンや雑炊に使ってください。
Q. ゆで方と蒸し方、どちらがおすすめですか?
味を濃く楽しみたいなら蒸し方、茹で汁もだしとして使いたいならゆで方がおすすめです。姿のカニを贈答や食卓の主役にするときは、蒸し方を選ぶ方が多いです。
まとめ
- 塩加減は水1Lに塩30g(海水程度の3%)、甲羅を下にして入れるのが基本
- ゆで時間の目安は、ズワイガニ姿600〜800gで15〜18分、1kg前後で18〜20分、足・肩で7〜10分
- 生カニは流水で5〜10分の半解凍、活ガニは真水で20〜30分締めてから茹でる
- ボイル済みの冷凍カニは茹でず、冷蔵庫でゆっくり解凍する
- うま味を逃したくないときは蒸し方(姿20〜25分・足10〜15分)が向いている
越前かに問屋ますよねについて
ますよねは福井県で創業60年以上、越前がにをはじめとするカニ・海産物を扱う問屋です。仕入れ・商品企画・発送を自社で行い、家庭で「おいしく食べられる状態」で届けることを大切にしています。この記事も、日々カニを扱う現場の経験をもとに書いています。

